弛緩性便秘と痙攣性便秘

2016-05-22 at 10:51

便秘は、便通は2~3日おきにしかない状態のことと思われていますが、排便回数が少ないだけでなく、便がとても固くなり、腹痛があったり排便のときに苦痛を感じる状態を指しています。
便秘には十二指腸潰瘍や腸閉塞といった病気によって起こる急性便秘と、特に病気がなくても起こる慢性便秘があります。

一般に多くみられる便秘には、弛緩性便秘と痙攣性便秘があります。弛緩性便秘は大腸の緊張が低下したり、大腸を動かす腹筋の筋力が落ちているために排便機能が低間するものです。日本人の慢性便秘の70%ほどは弛緩性便秘となっています。

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弛緩性便秘は便の量を増やして、腸壁への刺激を高めることで改善していくことができます。そのために役立つのは食物繊維です。

 

痙攣性便秘はストレスや過労などで神経障害を起こし、そのために大腸が痙攣するために起こります。痙攣性便秘の場合には、腸壁への刺激が強くなると、かえって症状が悪くなるので、食物繊維の多い食品は避けなければなりません。

日本人の成人は乳糖分解酵素が少ないため、乳糖が多く含まれている牛乳を飲むと便が軟らかくなる人が多くみられます。

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こういう人で弛緩性便秘の人は牛乳を飲むことで便秘の解消につながります。
しかし、痙攣性便秘の人では、牛乳を飲むと腸壁への刺激が強くなって、かえって症状が悪くなってしまいます。

弛緩性便秘の場合には、アルコール飲料やカフェインが多い飲み物、炭酸飲料は普通に摂っても問題はありません。
それに対して痙攣性便秘の場合には、これらのものは避けるように言われます。

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過敏性大腸症候群によって自律神経の調整が乱れることで大腸と直腸の間のS状結腸が収縮して便秘を起こすこともあります。

便秘は腸管の炎症や腫瘍、甲状腺の機能の低下などの病気によっても起こります。原因に心当たりがなく、便秘が長引くようなら、専門医での早めに診察をすすめます。

⇒ 便秘チェックテスト